• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

白亜紀海洋無酸素事変に対する顕著な負のフィードバック:南西太平洋域の証拠

研究課題

研究課題/領域番号 20403016
研究機関金沢大学

研究代表者

長谷川 卓  金沢大学, 自然システム学系, 教授 (50272943)

キーワードニュージーランド / 炭素同位体比層序 / 生層序 / 地質野外調査 / 白亜系 / OAE / 粘土鉱物
研究概要

21年度はニュージーランド(NZ)における河川水が少ない3月に地質調査を行った(現地の共同研究者J.Crampton, B.Field,日本側は代表者の他に研究協力者の沖野遼(金沢大学生)の計4人が参加).3月までは前年度採集試料の有機炭素同位体比,バイオマーカー分析を行った.
昨年試料の分析の結果,従来大型化石から推定されていたセノマニアン/チューロニアン(C/T)階境界は正しくないことが明らかになった.従って同境界の位置を正しく決めるために前年調査した層位範囲を更に広げて調査した.また,前年調査したソウピットガリーでは炭素同位体比の正のエクスカーションが,「大型化石無産出帯」に確認できた.この層準はマンガオタニ川の調査地では特徴的な赤色層に対比される.その赤色層のバイオマーカー分析を行ったところ,ホパン類,ステラン類はその下位の灰色層と殆ど同様のフィンガープリントであったものの,陸上植物由来のn-alkanesのみが欠落していた.世界の他地域とは異なる特異な陸域環境がこの時代(おそらくC/T境界に対応)に発達したことが示された.西太平洋の南半球高緯度のNZと北半球中緯度の北海道蝦夷層群との比較研究が重要である.
上述の結果を踏まえ,地質調査は3/15-3/20までの15日間,現地に滞在して行った.モトゥ川上流の(1)マンガオタニ第一;南島の(2)マルボロ地区オーズ・ニッド川;および(3)オーズ・ニッド川流域のソウピットガリーの3セクションを調査した.1ではC/T境界と考えられる赤色層よりも上位を,コニアシアンと推定される層準まで試料採集した.2ではセノマニアン階の中・上部を採集した.この調査中に大型魚竜らしき脊椎骨の密集ノジュールを発見し,採集した(GNSに所蔵).3はC/T境界付近と考えられるため,欧米の炭素同位体比曲線との詳細対比を目指して詳細な試料採集を行った.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Polycyclic aromatic hydrocarbons in the Jurassic-Cretaceous Tetori Group, central Japan.2010

    • 著者名/発表者名
      Hasegawa, T., Hibino, T.
    • 雑誌名

      Island Arc (in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] High resolution carbon isotope stratigraphy across the Cenomanian/Turonian boundary in the Tappu area, Hokkaido, Japan : correlation with world reference sections.2010

    • 著者名/発表者名
      Hasegawa, T., Seo, S., Moriya, K., Tominaga, Y., Nemoto, T., Naruse, T.
    • 雑誌名

      Science Report of Kanazawa University 54

      ページ: 49-62

    • 査読あり
  • [学会発表] 白亜系蝦夷層群OAE2相当層における超高解像度炭素同位体比層序の重要性2010

    • 著者名/発表者名
      根本俊文・長谷川卓
    • 学会等名
      日本古生物学会 第159回例会
    • 発表場所
      琵琶湖博物館(滋賀県)
    • 年月日
      2010-01-30
  • [学会発表] 千年規模の解像度で求めた蝦夷層群の炭素同位体比変動とその意義2010

    • 著者名/発表者名
      冨永嘉人・長谷川卓
    • 学会等名
      日本古生物学会 第159回例会
    • 発表場所
      琵琶湖博物館(滋賀県)
    • 年月日
      2010-01-30

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi