研究課題/領域番号 |
20404003
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
菅原 正孝 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (60026119)
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研究分担者 |
尾崎 博明 大阪産業大学, 工学部, 教授 (40135520)
藤川 陽子 京都大学, 原子炉実験所, 准教授 (90178145)
濱崎 竜英 大阪産業大学, 人間環境学部, 准教授 (50340617)
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キーワード | 鉄バクテリア法 / 砒素 / アジア / 地下水 / 鉄 / マンガン / ベトナム / ネパール |
研究概要 |
本研究は、砒素問題を抱えるアジア地域に、地下水中に生息する鉄やマンガンを酸化させることができるバクテリアを生物担体に付着・増殖させ、鉄やマンガン、そして砒素を酸化させて懸濁化させてろ過させる鉄バクテリア法の実験装置を設置して、地域に適した砒素除去システムを開発することを目的としている。そこで平成20年度は、対象地域をベトナム及びネパールに絞り、それぞれの地域の地下水調査を実施して、まずはベトナムに実験装置を設置することとした。ベトナムについては、8月に1回、3月に2回調査を行い、ネパールは8月に1回実施した。いずれもWHOの水道基準10ppbを超える数十から数百ppbの砒素濃度を検出した。砒素濃度測定には、現場で測定可能なボルタンメトリ法を採用し、全砒素だけでなく、価数別の砒素濃度も測定した。ベトナムにおいては、数回の地下水調査の結果、ハノイ市のThuong Tin DistrictにあるTu Nhien幼稚園(北緯20°51'850"東経105°55'061"、地下25-26m)を実験サイトとすることに決定した。当該砒素濃度は、全砒素が91ppb、砒素(III)が36ppbである。実験装置は完成しており、平成21年度より実験を開始する。一方、ネパールでは、カトマンズ盆地内の地下水濃度を測定しており、今後、カトマンズ盆地内、もしくは砒素濃度が高く、健康障害が懸念されているTerai地域において、簡易な実験装置を設置することにしている。本研究については、ベトナムではベトナム国立科学技術アカデミー・環境技術研究所、ネパールではトリブバン大学の協力を得て、調査・研究を実施しており、平成21年度にも同機関の協力を得る予定である。
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