都市フリンジ地域インフォーマル市街地における事例調査の実施。 平成22年度は、調査対象国についての調査を継続するが、とくにスリランカの状況は南アジアの文脈、とりわけインドとの比較で議論することが重要であることが今までの調査で判明したために、インドについても補足的に調査を実施した。インフォーマル化プロセスに関する調査項目は次の通りである。 (i)インフォーマルセクター開発主体による開発(土地ブローカー、敷地分割事業者、インフォーマル販売仲介業者、既往権利の不確定な農民等による開発等) (ii)土地登記・開発・建築許可プロセスにおけるインフォーマル化(土地利用権証明、開発許可、建築許可等) (iii)土地取得・住宅建設プロセスにおけるインフォーマル化(正規の手続きを経ない土地利用権の担保化による建設、取得資金のためのインフォーマル金融等)。 (2)各対象国の計画策定・インフォーマル市街地改善事業プロセスにおけるローカル・ガバナンス構築に関する調査の実施と提言。都市計画策定プロセス、計画策定権限・許可権限の地方分権の状況、インフォーマル市街地改善事業における関係者間のパートナーシップ形成状況に関する事例に関するヒアリング調査について実施し、ローカル・ガバナンス構築の動向について分析し、国際ワークショップを開催して制度改善の方向についての提言を行った。
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