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2010 年度 実績報告書

建築空間構成と民族芸術からみた中国山西商人の伝統的住居の特性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20404022
研究機関神戸芸術工科大学

研究代表者

山之内 誠  神戸芸術工科大学, デザイン学部, 准教授 (40330493)

キーワード山西省 / 静升村 / 王家大院 / 天地堂 / 吉星楼 / 土地堂 / 門神堂 / 晋商
研究概要

平成22年度は、山西省での現地調査(8月)と3カ年の研究報告書の取り纏めを行った。現地調査では、主として静升村内の民居における神龕の調査を実施した。この調査は、王家大院の精神文化的な特徴を考察することを目的とするものであり、静升村内の街区と古民居の保存状態が良好な区域から選定した伝統的な合院住宅を対象に、合院空間における神龕の類型及び配置特性を調査し、王家大院との比較を行った。具体的には、神龕の位置と方位の調査及び聞き取り調査を実施し、祭神ごとの神龕の種類を考察・分類し、それぞれの配置場所や向きの分析を行った。その結果、静升村における主な神龕は、門神堂、土地堂、天地堂、吉星楼に分類でき、それぞれ職能差により、吉星楼>天地堂>土地堂>門神堂という神位のヒエラルキーが存在することが判明した。また、神龕の配置と向きを合院空間における空間のヒエラルキーと併せて考察してみると、吉星楼と天地堂が正房及び合院空間の奥の上位の場所に配置されるのに対し、土地堂は正房及び合院空間の次位に、また門神堂(画)は南房、表門などの合院空間の最下位に設けられることが認められた。ゆえに、静升村における神龕は北(奥)>東(正房に向かって右)>西(同左)>南(手前)という合院内における空間のヒエラルキーにしたがって設けられることが明らかになった。王家大院においても土地堂と門神堂の配置は同様であるが、しかし一方で、現段階では理由は不明だが、王家大院には神位の高い吉星楼と天地堂がほとんど存在しないという明確な特徴が存在することも判明した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 建築平面からみた王家大院の建築空間の特性に関する研究2010

    • 著者名/発表者名
      王曄、山之内誠
    • 雑誌名

      日本建築学会計画系論文集

      巻: No.655 ページ: 2239-2244

    • 査読あり
  • [学会発表] 排水口の位置からみた王家大院高家崖における排水システムの特徴2010

    • 著者名/発表者名
      王曄、山之内誠
    • 学会等名
      日本建築学会2010年度大会(北陸)
    • 発表場所
      富山大学(富山県)
    • 年月日
      2010-09-11
  • [図書] 建築空間構成と民族芸術からみた中国山西商人の伝統的住居の特性に関する研究(平成20-22年度科学研究費補助金(基盤研究(B)海外学術調査)研究成果報告書)2011

    • 著者名/発表者名
      山之内誠編
    • 総ページ数
      194
    • 出版者
      神戸芸術工科大学山之内誠研究室

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公開日: 2012-07-19  

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