研究概要 |
中央アジア・ウズベキスタン共和国内のヌクスを中心としたアムダリア流域にて,大規模灌漑農業による環境汚染と生態系への影響について調査を行った. 1)飲料水である地下水の調査を行った.2)潅漑用水,潅漑排水,および河川水を採取し,灌漑農業による河川水への影響を調査した.3)ヌクス近郊の農村で,人体への影響に関しての聞き取り調査を行った.4)河川水と地下水を毎月試料採取し,月変動を調査した. 以上のような現地調査を行い,試料を日本に持ち帰り以下の分析を行っている.1)イオンクロマトグラフィーを用いた主要イオン濃度の測定,2)ICP-MSを用いたウラン濃度および同位対比 ヌクスの郊外の農村で,縞状の歯を持つ子供たちが多くみられ過去に何らかのエナメル質を溶かすような有毒な物質が,井戸水に含まれていた可能性が高いことがわかった.そこで,月変動を明らかにすることと,一時的な汚染であれば,どのような時期に汚染されているかを調べるために,毎月この村で地下水の試料を採取することにした.その結果、地下水の元素濃度の方が、河川水より高い濃度であった。さらに、冬場に、特に、地下水の硝酸イオン濃度が高くなっていることが明らかとなった。しかし、濃度変化は、年度によって差があり、さらに詳しく調べる必要があるので、今年度も調査していくこととした。 これまでの研究成果の一部が,Springerから出版されたPlant Adaptation and Phytoremediationの一章として印刷された.
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