研究課題
本研究は、本研究は、インド亜大陸および西アフリカ域内の農耕に用いられる在来技術群から砂漠化抑制に有効な技術群を発掘し、西アフリカ・サヘル地域におけるフィールド実証試験を経て、砂漠化対処に有効な実践的技術と水平技術移転アプローチを提案することを目的とする。平成23年度の取り組みどその成果は、以下のとおりである。1)在来の情報・技術伝播経路の特定:ニジェール西部の調査村落(フィナーレ村)にて社会ネットワーク調査手法を用いての情報・技術伝播経路を特定した。情報の連結や人間関係の疎密を明らかにし、従来の農業技術普及や地域支援における住民参加型アプローチの限界性を指摘し、改善策を提案した。2)人為-土壌環境応答と肥沃度メカニズム:国際半乾燥熱帯作物研究所・ニアメー支所のサドレ試験区に12基のライシメータを設置し、土壌内環境と養水分動態のモニタリングを行なった。3)砂漠化対処に有望な在来技術の発掘と開発:「ザイ」および「ディゲット」と呼ばれる在来技術の調査を実施し、その問題点と改良点を明らかにした。「ザイ」にアンドロポゴン(穀物倉などの建築素材などに活用され、域内市場で売買される多年生草本)を組み合わせ、農耕地に等高線上に配することで、生計向上と水食:(水による土壌侵食)の抑制を可能とする簡便な実践技術を開発した。4)研究成果の社会実装:本研究メンバーが開発した砂漠化対処技術『地内休閑システム』を「地球・人間環境フォーラム」とともにJICA草の根パートナー型技術協力:事業「ニジェール共和国・サヘル地域での砂漠化対処および生計向上への農民技術の形成と普及(平成22年4~平成25年3月)」を通して、ニジェール国の西部(シミリ県、ナマロ県、サイ県、コイゴロ県)および南東部の村落(テッサウア県)に普及した。この事業は、学術研究の成果を社会実装した事例として特筆される。
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