研究課題
代表者の嶋田は、連携研究者の伊藤元己教授、大学院生・加藤俊英と協力して、新大陸メキシコ産・アリゾナ産のマメゾウムシ科昆虫の分子系統解析を基盤として、寄主植物利用の進化の解析を行った。従来は、Ehrichand Raven (1964) らによって、ジェネラリストからスペシャリストへの進化の方向性が強調されてきたが、今回の解析ではMimosestes属でスペシャリストからジェネラリストへと食性が広がる傾向が見られた。さらに、新大陸で採集されたMimosestes属・Acanthoselides属・Stator属・Senius属・Merobruchus属で食性の解析を進めた。分担者の藤井は、マメ科植物の中で、九州大学と東京大学から提供されたマメ科植物Vicia属11種、Lathurus属9種、およびPisum Sativum1種の種子中に含まれる成分の分析を開始した。種子の水エタノール溶媒抽出物を誘導体化してGC-MSにて分析している。主な分析成分は、これらの豆の有毒成分として報告のある非タンパク性アミノ酸のカナバニン、べ一タシアノアラニン、およびシアナミドと関連成分である。また、研究打ち合わせで米国に出張した。分担者の徳永は、特に貯穀害虫のマメゾウムシに注目して調査研究を行った。特に広食性を示すアカイロマメゾウムシと、狭食性を示すヨツモンマメゾウムシに注目し、インドネシアのマランにて両種の採集を行った。また、Fricke and Arnqvist (2006) の報告に則り、両種の掛けあわせ実験とその遺伝解析を行い、交雑性の可能性について調査を行った。分担者の津田はカナバニンの化学分析を進めた。また、徳永と共同してヨツモンの分子系統樹を構築途中であり、東南アジア産が一つのグループにまとまる結果を得つつある。
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http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/shimada-lab/