研究課題/領域番号 |
20405006
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
嶋田 正和 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40178950)
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研究分担者 |
藤井 義晴 独立行政法人農業環境技術研究所, 生物多様性研究領域, 上席研究員 (10354101)
徳永 幸彦 筑波大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (90237074)
津田 みどり 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教 (20294910)
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キーワード | マメゾウムシ科昆虫 / マメ科植物 / 単食性と多食性 / 分子系統解析 / 毒性物質 / カナバリン / Mimosestes属 |
研究概要 |
嶋田と伊藤は協力者の特任研究員・加藤俊英と共に、Mimosestes属マメゾウムシについてその食性進化過程についての研究を行った。既知種13種と未記載種1種について、ミトコンドリア2領域(16S-12SrRNA領域、COI遺伝子)と核遺伝子(EF1α)の配列に基づく分子系統解析、さらに祖先形質復元およびベイズ推定を行った。その結果、祖先種の寄主利用はアカシア属で、Prosopis属,Parkinsonia属への利用はMinosestes属内でジェネラリスト種が独立に3回進化したことを明らかにした。さらに未成熟な莢と完熟した莢の両方に産卵する性質を獲得したことが、ジェネラリストへの進化上重要であることが示された。 藤井は、津田から提供されたマメ科植物Vicia属11種、Lathurus属9種、およびPisum sativum 1種の種子の抽出物を誘導体化してGC-MSにて分析し、アミノ酸組成を明かにした。また、これらの豆の有毒成分として報告のある非タンパク性アミノ酸のカナバニンを検出したが、シアナミドは検出されなかった。徳永は広食性を示すアカイロマメゾウムシと、狭食性を示すヨツモンマメゾウムシに注目し、シンガポールにて両種の採集を行った。津田は徳永と共同して、全世界から採集したヨツモンマメゾウムシのmtDNA変異を調べた。地理的集団間の遺伝的変異は小さく、熱帯域で一気に適応放散したことが示唆された。アジア集団は主に3つのクレード(東南アジア、中東、南アジア)にわかれた。北米産ヨツモンマメゾウムシは中東からの移入集団であることが示された。また藤井と共同してハンガリー産ソラマメ連22種のうち半分ほどのアミノ酸分析を行った。
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