研究課題/領域番号 |
20405007
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
浅見 崇比呂 信州大学, 理学部, 准教授 (10222598)
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研究分担者 |
吉村 仁 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (10291957)
堀 道雄 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40112552)
遠藤 一佳 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (80251411)
松野 健治 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (60318227)
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キーワード | 左右性 / 交尾行動 / 東南アジア / 巻貝 / カタツムリ |
研究概要 |
本研究の目的は、樹上性の巻貝Amphidromus属で、発生の鏡像型と実像型(左右二型)が持続的に共存するメカニズム、および集団の鏡像進化(右巻□左巻)を抑制・促進する要因を検証することにある。 (1)長期動態追跡:本年度以降、毎年雨季に、方形区の二型頻度を継続調査し、頻度1:1からの有意なずれが周期的な振動によるか否かを検証した。これまでの調査結果から、統計的に有意に二型頻度が変動する集団としない集団があり、両者には何らかの要因により二型の変動パターンに差異が生じることが示唆された。 (2)二型の形態的差異:右巻と左巻の成熟した個体の殻を採集し、殻の形態を同一集団の左右二型の間、同一集団の異なる採集年度の間、および異なる集団の間で比較した。その結果、殻の形態は、同一集団の遺伝子プールを共有する個体どうしでありながら、右巻と左巻の形態は一般に統計的に有意に異なることが明らかとなった。しかも、左右二型の殻の形態がどのように異なるか、そのパターンが異なる地点で採集された集団標本の間で異なることがわかった。異なる採集年度の間での差異については、長期的な変動パターンを追跡しないと変動パターンを一般化するだけの有意義な結果が得られないことがわかった。 (3)進化的起源:調査地域で採集可能な3亜属12種および海外博物館所蔵の他種の組織標本を入手し、現24種に加えた分子系統解析を、核DNA (ITS領域)塩基配列を用いて行った。現在、その塩基配列を解析中である。
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