研究概要 |
1)ミャンマー中央部に分布する後期中新世~中期更新世のイラワジ層を対象に発掘調査を行った。特にグウェビン地域の後期鮮新世~前期更新世の地層からは、霊長類を含む小型ほ乳類化石を発見し、現在その同定・記載作業を進めている。具体的にはSemnopithecus(ハヌマンラングール属)の新種、齧歯類(3科6属7種の)、兎型類1種が確認された。特に小型ネズミ科の小型げっ歯類は年代決定に有効である可能性が強い。また同地域から見つかっていたマングース科の小型食肉類化石の記載論文を発表した(Egi et al.,2011)。 2)台湾南部の左鎮地域の前期~中期更新世の地層から見つかっていた霊長類化石の検討を行い、その中に現在台湾に生息していないRhinopithecus(コロブス亜科キンシコウ属)の化石が含まれることを発見し記載論文を発表した(Chang et al., in press)。 3)神奈川県の後期鮮新世の地層から見つかっていたコロブス類や中国の中期更新世のマカク類の頭骨化石の内部構造をCT機器を用いて解析し、化石及び現生種と比較することにより系統解析を行った(Ito et al., 2011 ; Nishimura et al., 2012)。
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