研究概要 |
わが国の雑草種は戦後に侵入した外来雑草によって大きく様変わりし、その大きな要因は飼料用に輸入された穀類に混入する雑草種子や物流システムの発達による人為的なものである。輸入飼料の原産地である米国においては、飼料用作物の大部分(ダイズは80%以上),がラウンドアップ(グリホサート)耐性遺伝子導入品種であり、最近その防除薬剤であるラウンドアップに抵抗性の雑草種が急速に拡大していることが報じられている。 そこで、米国でラウンドアップ抵抗性雑草事例を報告した大学の研究者に面談し、その実態をヒアリングするとともに、その地域の関係者(防除業者、コンサルタント、メーカ推進員、地域担当者)とともに現地での実態を調査した。調査した州はミシガン州、カリフォルニア州、アイオワ州、イリノイ州、ミズーリ州、テンシー州、アーカンソー州、ミシシピー州で、'それぞれの畑作地帯を航空機とレンタカーで3週間かけて移動した。 米国におけるラウンドアップ抵抗性雑草種は9種あり。特にヒメムカシヨモギの抵抗性バイオタイプの優占化は各州でみられるなどかなり深刻な情勢にあるごとが判明した。開発会社であるモンサントも情報収集体制をとり、さまざま対応策をとっていることが明らかとなった。同様に、今後除草剤耐性GMOの必要性やわが国への侵入のリスクなどさらに検討すべき課題が明らかとなった。
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