研究課題
農業近代化が遅れているアジアの後発国カンボジアの、農業生産の制約と発展の可能性を明らかにするために、天水農業のヘテロな水環境と農家の技術選択を解明した。水環境の対照的な4地域(旱魃頻発2地域、灌漑可能1地域、増水1地域)を選定し、水環境の実態(降水量、湛水深の季節変異)と水田生態系の多面的機能を調査した。カンボジアで学術セミナー(11/16-20)を行い、研究中間成果を発表した。1.地図作成 市販の地図とGoogleEarthの上にGPS踏査による情報を重ね、4調査地の調査圃場群の地図を作成した。天水田地帯の減水期稲地帯を、GPS踏査により位置を確認した。2.モニタリング 6-8月(雨季作栽植期)、11-1月(収穫期)、3月(乾季作)に作付状況、栽培管理情報を調査した。灌漑地域についての作期をまとめ、水田雑草のフロラ、植生について調査・解析を進めた。調査地の写真をホームページに掲載した。「多面的機能」地図の作成は遅れている。3.社会経済調査 3調査地域の中の2~3村について調査票を用いたグループ討議と個別インタビュー(10戸程度/村)を行った。データベースの作成を始めた。4.土壌評価 90の調査圃場から採集した土壌の評価をポット試験で行った(12-1月)(解析中)。5.収量調査 2008年度雨季作の漏れを調査し、2009年度の乾季作と雨季作の収量調査を行った(解析中)。圃場と品種ごとの穂相調査は途中、群落温度の評価は行えなかった。6.参加型GIS 農業局と小学校の協力を得て、3つの調査地の小学生に、水田に関する絵を書いてもらった(子供の視点での水田・農村像を解析中)。地図化とリスク評価は行えなかった。7.圃場試験 天水田地域で、改良品種と化学肥料を用いた圃場試験、参加型試験を行った。8.環境負荷評価 メタン発生量、残留農薬については調査できなかった。使用農薬を聞き取った。
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