研究課題/領域番号 |
20405019
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鴨下 顕彦 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 准教授 (10323487)
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研究分担者 |
山岸 順子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (60191219)
黒倉 寿 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50134507)
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キーワード | 環境調和型農林水産 / 熱帯農学 / 農業人間学 / 農業経済学 / 生態学 / 国際研究者交流 / カンボジア:タイ |
研究概要 |
農業近代化が遅れているアジアの後発国カンボジアで、水環境のヘテロ性と農業の多面的機能という視点から、持続可能な稲作モデルを明らかにしようとする。天水農業のヘテロな水環境を理解するために、水環境の対照的な4地域(旱魃頻発地域2(農村開発プロジェクトを推進している1地域を含む)、灌漑修復地域1、増水地域1)を選定し、水環境の実態(降水量、湛水深の季節変異、年次変動)、農業の多面的機能、農業生産の制約要因と発展の可能性の解明を進めた。主要成果は、灌漑修復地域と増水地域での水環境の動態と農家の適応や生産制約要因の素描と、雑草動態に関する知見の報告である。今後関連成果の発表を継続するとともに、旱魃頻発地域での解析、多面的機能に関する解析を進める予定である。 1.地図の作成 調査圃場群の地図を改訂し見栄えよくした。 2.モニタリング・収量調査 4調査地域ごとに、栽培・米収量の解析・投稿準備を進めた(今後穂相調査の解析)。水田埋土種子の動態についての論文を公表し、雑草のフロラ・植生について投稿準備を進め、雑草写真ファイルを整理した。「多面的機能」に含まれる情報〈生態系サービス要素など〉を集めた(今後「多面的機能」地図の作成)。 3.社会経済調査 4調査地域9村のグループ討議の結果をまとめ、質問表の一次データベースを作成し、解析を開始した(解析継続、多面的機能の評価を予定)。 4.土壌評価 (ポット試験データを今後解析)。 5.参加型GIS 農業局と小・中学校・大学の協力を得て、生徒に、水田を中心とする村の絵を描いてもらい、好ましい景観の写真をとってもらった(今後解析)。 6.圃場試験 高位と低位の天水田で、肥料三要素と改良品種の効果の参加型試験を行い、解析中。 7.環境負荷評価 カンボジアの農薬情報を収集し、灌漑用水の水質を測定した(今後測定法の問題点を検討)。
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