研究分担者 |
三島 隆 三重大学, 大学院・イノベーション学研究科, 准教授 (40314140)
内山 智裕 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (80378322)
内藤 整 倉敷芸術科学大学, 生命科学部, 准教授 (40252902)
豊田 由貴夫 立教大学, 観光学部, 教授 (20197974)
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研究概要 |
2011年8月10日~16日にパプアニューギニア調査を実施,ニューアイルランド島のケビエンおよびその周辺地域において,サゴヤシ民俗変種群の生態調査ならびに伐採調査を行った。現地でのサゴヤシの呼称はsasakであり,Paruai地区(民族名:Kara)では民俗変種Galangat(トゲありタイプ)とKului(トゲなしタイプ)が分布,Kableman村ではTagapat(トゲなし)とNaklam(と聞こえるがNakiyameと思われる:昨年の聞き取り,またセピックのNuku地域ではNakiyameという民俗変種名あり:Nakiyameはトゲあり),Bagail村Laila区域ではHaul(トゲなし)が分布していた。Pruai地区での聞き取りでは,1本の幹から6袋(10ゲージ)のデンプンが得られ,400~500キナ(1袋40~50キナで販売)となる。Kableman地区のサゴオーナーは西セピック州Nukuからの移住者であり(セピックは主要サゴヤシ産地),西セピックに分布する民俗変種と同名のサゴを有していた。 Paruai地区の個体とBagasil村の個体は葉痕間隔が10cm程度であったの対して,Kableman村の個体は14.3~14.5cmと長かった。その一方で,葉痕間隔は幹の胸高直径との間に負の関係が窺われた。サゴヤシ属植物では,ロゼット期と幹立後で出葉速度は異なるが,生育ステージごとにほぼ一定であると考えられる。従って,葉痕間隔が長いことは,生長速度が大きいことを意味するが,その値が本年度の調査で幹胸高直径と負の関係ということは,生長の早いタイプ,あるいは地域では,幹が細いということと考えられ,極めて興味深い結果を得ることができた。なお,生の髄組織からのデンプン収率は11~28%であった。
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