研究課題/領域番号 |
20405022
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
松島 憲一 信州大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (30359731)
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研究分担者 |
南 峰夫 信州大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30174098)
根本 和洋 信州大学, 大学院・農学研究科, 助教 (20293508)
藤田 智之 信州大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10238579)
濱渦 康範 信州大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (90283241)
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キーワード | ブータン王国 / 食用植物 / 野生植物 / 機能性 / 健康効果 / 伝統的知識 / 現地調査 / 国際研究者交流 |
研究概要 |
2008年10月14〜29日にブータン王国南部2県8カ所、西部2県2カ所、北部1県4カ所において農村住民もしくは市場の販売員より食用野生植物利用についての聞き取り調査と標本採取を行った。結果、種子植物32科58種、シダ植物4科13種が同定されたが、一部は種の同定に至らなかった。また、これまで同国では草本生植物を食用利用する例が多かったが、南部ではウコギ科のMacropanax undulatusのように木本生植物の新芽を食用利用する例もみられた。さらに、これらの中には健康効果が信じられている植物もあり、例えばウコギ科のM.undulatusは体の痛みを和らげる効果が、スズラン科のTupistra nutansは熱冷まし、風邪や咳に加え、アルコールを飲み過ぎた際に効果があるとされた。また、シダのうちNaleyは食べ過ぎると胸の痛みの原因になる、Pangkeyを食べ過ぎると目眩の原因になるといった、食用に際しての健康上の注意事項も信じられていた。次に現地で食用とされるアスパラガス野生種のAsparagus racemosusの機能性成分測定(ルチン)に向けた最適試料調整方法を明らかにするための試験を栽培種A.officinalisで行ったところ熱風乾燥による調整が適していることが明らかになつた。同時にDNA抽出のための予備試験も行った。今回、両国間のMTAの締結に間に合わなかったことから、本結果は次年度以降のサンプリング・成分分析に活用することとする。なお、本課題の一環として本学において11月22日に「信州大学農学部国際シンポジウム2008『持続的な森林との共生:ブータン王国における野生植物の食用利用』」を開催し、ブータン農業省から二名の研究員を招聘し、三名の国内研究者とともにシンポジウムを行った。個々の講演については信州大学紀要にプロシーディングスとして掲載した。
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