研究課題/領域番号 |
20405023
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
米森 敬三 京都大学, 農学研究科, 教授 (10111949)
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研究分担者 |
北島 宣 京都大学, 農学研究科, 教授 (70135549)
田尾 龍太郎 京都大学, 農学研究科, 准教授 (10211997)
神崎 真哉 近畿大学, 農学部, 講師 (20330243)
山根 久代 京都大学, 農学研究科, 助教 (80335306)
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キーワード | カキ属植物 / 野毛柿 / Diospyros spp. / 標本調査 / 二倍体 |
研究概要 |
本研究の目的は、世界中で400種以上存在しているとされるカキ属植物の大部分が分布している熱帯・亜熱帯地域のうち、特に栽培ガキが起源したとされる東アジアの熱帯・亜熱帯地域(雲南省、ベトナム北部、タイ北部等の地域)に焦点をあて、六倍体である栽培ガキの起源種となった可能性のあるカキ属植物をこれらの地域で探索し、形態的および分子生物学的手法を用いて、栽培ガキの成立過程を解明することである。本年度は、まず、これまでに研究代表者らが発見した、中国雲南省のシーサンパンナ地域に存在する栽培ガキとその形態的特性が酷似する野毛柿の中国での分布域を、中国国内に存在する植物園での標本資料から調査した。その結果、この野毛柿は中国雲南省に限定して分布しており、それ以外の地域ではほとんど存在していないことが明らかになった。また、中国以外の国での野毛柿の存在の可能性を調査するため、ベトナム北部、タイ北部での調査実施を念頭に、それぞれの国の研究協力者と、これらの地域でのカキ属植物探索の可能性を検討した。さらに、昨年採取した野毛柿の葉から中国の共同研究者とともにDNAを採取し、マメガキから構築したSSRマーカーを用いて予備的に分析したところ、野毛柿が二倍体である可能性が示唆された。この結果は、中国の研究協力者が予備的に実施したプロイディーアナライザーの結果とも符合していた。なお、中国で出現した完全甘ガキ'羅田甜柿'のタンニン蓄積制御機構の特異性が、甘ガキ出現過程の重要な要因となっている可能性を考えており、この点に関する検討も実施し、カキのタンニン生成機構の解析を近縁二倍体であるマメガキを利用して予備的に実施した。
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