研究課題
基盤研究(B)
六倍体である栽培ガキ(Diospyros kaki)に近縁のカキ属植物としてこれまでにD. lotus(マメガキ)、D. oleifera(アブラガキ)、D. glandulosaの三つの二倍体種が報告されている。しかし、これら以外にも栽培ガキに近縁で、栽培ガキの起源に関係した種が存在する可能性が高いと考え、本研究において栽培ガキの起源地であると考えられている中国南部、タイ・ベトナムの北部山岳地域を中心としてカキ属植物の探索を実施した。その結果、ベトナムのLang Son省で"Hong Coc"と呼ばれているD. oleiferaに酷似した種を見出すとともに、中国雲南省で"Ye-mao-shi"と呼ばれている栽培ガキに形態的特性が非常に近い種を見出すことができた。特に"Ye-mao-shi"は「野毛柿」の意味であり、栽培ガキとの関係を考える上で非常に興味ある種であると思われ、その中国での分布を植物園での〓葉標本から調査したところ、雲南省に限定されることが明らかとなった。また、その倍数性をSSR分析の結果から考察したところ、二倍体である可能性が高いことがわかった。今後、"Hong Coc"を含め、"Ye-mao-shi"と栽培ガキとの類縁関係を特定領域の塩基配列を調査することで明らかにしていきたい。
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