研究課題
ストライガの宿主植物からの養水分収奪機構を明らかにするために、S.hermonthicaとソルガム(品種Davar)をスーダン科学技術大学でポット栽培実験を行った。播種後120日目から、土壌水分処理およびABA葉面散布処理を行った。播種後117日目および122日目に、ソルガムとストライガの完全展開葉の表裏の気孔密度・開度およびクロロフィル蛍光を測定した。ストライガの葉の裏の気孔密度はソルガムよりも約1.5倍高かった。気孔開度は、葉の表裏ともに、ストライガの方がソルガムよりも約1.5倍大きかった。乾燥ストレスにより両種とも気孔開度が低下した。一方、ABA処理に対しては、両種とも水処理に関わらず葉の表側の気孔開度は低下したが、葉の裏側の気孔開度はソルガムでは無灌漑処理区で低下したのに対し、ストライガでは葉の裏側の気孔開度は増加し、表側での低下を補償していた。したがって、ストライガは葉の裏側の気孔数が多く、無灌漑およびABA処理条件下での葉の裏側の気孔開度が高いことが、乾燥ストレス下での宿主からの養水分の収奪に関係すると考えられた。一方、光合成特性に関しては、光化学系の健全度を示す最大量子集率、および光エネルギー利用効率を反映する光化学的消光値のいずれもストライガの方がソルガムのものに比べ高かった。これらは高温・乾燥というスーダンの自然環境に対してソルガムの光化学系がダメージを受けているのに比べ、ストライガの光化学系が高い耐性を有しているということを示している。
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Tetrahedron Letters 50
ページ: 4549-4551