研究課題/領域番号 |
20405027
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鎌田 直人 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90303255)
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研究分担者 |
濱口 京子 森林総合研究所, 関西支所, 主任研究員 (60343795)
後藤 秀章 森林総合研究所, 九州支所, 主任研究員 (10353682)
升屋 勇人 森林総合研究所, 森林微生物研究領域, 主任研究員 (70391183)
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キーワード | ナラ枯れ / カシノナガキクイムシ / Platypus quercivorus / 遺伝的変異 / フェロモン / 微量成分 / Raffaelea quercivora / 病原性 |
研究概要 |
2009年4-5月にインドネシアで採集を行った。スマトラ島では、西スマトラ洲パダンのAndaras大学演習林で、切断した太い枝を餌木として設置して、約2カ月後に採集をおこなった。西スマトラ州のKerinci山国立公園、カリマンタン島では、東カリマンタン州バリクパパン周辺のSungai Wain、Bukit Soehart、Bukit Bangkiraiでは、自然の倒木かから同様に採集を行った。現地で坑道と虫体から共生菌を分離した。昆虫については、後藤が同定作業を行い、濱口がDNAで系統解析を行った。菌は、升屋が培養保存し、Raffaelea属の糸状菌に関しては同定作業中。アンブロシアキクイムシは、Xyleborus属14種、Xylosandrus属6種、Platypus属25種、Arixyleborus属3種を採集した。2010年2月には、ベトナム北部のSonla周辺で同様の採集を行った。カシノナガキクイムシ(本主のぇ櫓門に副まれるすべての成分を含む混合物を使って、誘引実験を行った。その結果、集合フェロモンの主成分であるケルキボールのみでは、対照区に比べ10-20倍のが採集されたのに対し、フェロモン成分をすべて混ぜると対照区と差がなくなった。これらの結果から、フェロモンの微量成分には、忌避効果をもつ成分が含まれているものと考えられた。そこでケルキボールに各成分を加えて誘引実験をおこなった。1成分を加えた場合、cis-piperitol追加で捕獲数が有意に増加した。2成分を加えた場合、捕獲数が減少し対照区と差が見られなくなった。これらの結果から、微量成分は単独では忌避効果を示さないが、2成分以上が混合することによって忌避効果を示したことから、野外では、過密を防ぐための抗集合フェロモンとして作用しているものと考えられた。
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