研究分担者 |
田村 圭司 独立行政法人土木研究所つくば中央研究所, 土砂管理研究グループ, 上席研究員 (80462571)
恩田 裕一 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (00221862)
土屋 智 静岡大学, 農学部, 教授 (60197720)
小山内 信智 国土交通省国土技術政策総合研究所, 危機管理技術研究センター砂防研究室, 室長 (30355862)
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研究概要 |
河川上流部での大規模土砂生産後の谷底部上昇と川幅拡大、そしてその後の谷底部侵食とそれに伴う下流への土砂流出の経年変化を把握するために、以下の研究を実施した。まず「1.現地調査による谷底面の侵食状況の把握」をするために, バワカレエン山の山体崩壊によりジェネベラン川上流部に堆積した土砂に形成されたガリー谷底面の侵食状況とそれに関連する以下の項目を現地調査した。その結果昨年度から今年度にかけて最も河床変動の激しかったLengkese村付近では,上流から供給された土砂の堆積による河床上昇が著しく、かつ測岸侵食による川幅拡大傾向が明らかとなった。次に「2.衛星画像解析による谷底面の地形変化の把握」をするために,対象地域の衛星画像を2時期(1時期2回)取得し、画像解析により3次元的な地形のデータを取得することを試みた。昨年度までの衛星画像解析で取得した地形データと比較すると、全体的に侵食区間が少なくなったこと,そしてガリー中の河床が平均的には上昇したことが判明した。ただし衛星画像解析では現地調査で得られたような微細なガリー内の地形変化はよくわからなかった。また山体崩壊堆積土砂の侵食以外でも,山体崩壊後の斜面の,拡大崩壊による後退が,衛星画像解析より判別できる可能性が示唆された。そして「3.バワカレエン山山体崩壊土砂の下流への流出状況の把握」を行うために,ビリビリダムに流下する浮遊砂について,出水時のサンプルを複数回採取し,その同位体組成分析を行った。その結果ジェネベラン川上流部の山体崩壊堆積土砂から流出してビリビリダムに堆積した土砂が,ビリビリダムの堆積土砂全体に占める割合が推定できることが示唆された。
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