研究課題/領域番号 |
20405031
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉村 剛 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (40230809)
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研究分担者 |
土居 修一 筑波大学, 生命環境科学研究科, 教授 (20279508)
竹松 葉子 山口大学, 農学部, 准教授 (30335773)
本田 与一 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (70252517)
大村 和香子 (独)森林総合研究所, 木材改質研究領域, 主任研究員 (00343806)
服部 武文 京都大学, 生存圏研究所, 助教 (60212148)
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キーワード | 熱帯人工林 / シロアリ / 菌類 / 生物多様性 / 持続的管理 |
研究概要 |
1.シロアリ相調査 2010年11月にタイ、サカエラート王立林野局野外試験地(ナコーン・ラチャシマ省)の自然林、アカシア・ハイブリッド&マンギウム2年生林、ハイブリッド5年生林及びアカシア25年生放置林において、100mベルトトランセクト法を用いシロアリ種多様性の定量的調査を行った。自然林では17-19種、アカシア2年林では3-4種、アカシア5年林では13種が採集された。種構成の特徴は、自然林とアカシア林で共通種が多く採集されることと、キノコシロアリ亜科が大きな割合を占めることであった。この結果は、同じ乾燥林に属するベトナムの結果と類似しており、マレーシアの熱帯雨林の結果とは大きく異なった。その要因として、湿潤なマレーシアの自然林に比べてもともと乾燥林であるタイの自然林では、撹乱による乾燥が進んだアカシア林でも同じ種が生息可能であるためと考えられた。 2.菌類相調査 シロアリ相調査と同様、同環境研究ステーションで調査を行った。アカシア2,5年生林には枯枝や倒木を含む枯死木がほとんど認められなかった。これらの林では総計で23種の多孔菌類が採集され、前年度までと同様にMicroporus xanthopusが自然林で優占的に認められた。また、アカシア植林地ではFlavodon flavaやHexagonia cf.tenuisが優占していた。アカシア林と自然林で比較した結果、いずれの保護林でも種数はアカシア5年生林より有意に大きく、多様性も大きかった。種構成も前年までの調査結果同様、アカシア林とは異なっていることが明らかとなった。
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