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2011 年度 実績報告書

ラオス北部山間地河川に生息する魚類の産卵場所と仔稚魚の成育場所を解明する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20405032
研究機関京都大学

研究代表者

岩田 明久  京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (20303878)

キーワードラオス / 山間地河川 / 魚類 / 産卵場所 / 仔稚魚 / 成育場所
研究概要

本研究は先行研究が全くない,ラオス北部メコン河支流の山間地河川ウー川中流域を調奪地とし,雨季と乾季,年に二回のフィールド調査を実施し,魚種同定と生態情報の収集,卵・仔稚魚の調査,水文環境・景観調査および水域環境測定等の環境特性の調査を行う.調査によって得られた情報を基に山間地河川に生息する魚類の産卵場所・仔稚魚の成育場所の特性を解明し,水産資源の適切な管理と持続的利用に向けての具体的な方策を提言し,当該国・地域に貢献することを目的とする.
平成23年度は調査地の魚種の同定が終了した.10目,25科,156種類の淡水魚が生息し,コイ科の一種は未記載種であること,ラオス初記録種であるバラタナゴとゴクラクハゼを確認した.また,複数の固有種の存在に加え,ラオスの他水系と比較して雲南およびベトナム北部のみに分布する種や東アジア亜区の淡水魚類相を構成する魚類が多数含まれていることから,ウー川を中心とするラオス北部を生物地理学的に「北ラオス域」として区分することが妥当であるという考えに至った.
流下ネットの調査の同定結果においては,平成21年度雨季では,ナマズ目のふ化直後,ならびにふ化から2日ほど経過した3タイプの前期仔魚,および魚卵が確認された.平成22年度雨季では平成21年度と異なるタイプのナマズ目ふ化直後仔魚,および卵のうを有するコイ科仔魚が確認された.平成22・23年度ともに日中における仔魚の流下は認められなかった.平成22年度乾季では,コイ目の,卵のうを有するふ化直後のものを含めて,少なくとも10タイプ,タニノボリ科3タイプ,ハゼ科1タイプの仔魚が多数確認された.雨季と同様に日中における仔魚の流下は認められなかった.これらの結果から,雨季に比べ,乾季の方が種類・数ともに仔魚が多く,山間地河川では乾季に繁殖する魚種が多く,それらは河川それ自体を産卵・成育場所として利用していることが明らかとなった.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Seasonal Occurrences of Larval, Juvenile and Young Fishes in the Floodplain of a Mekong Tributary Lao P.D.R2012

    • 著者名/発表者名
      Otsuka, H., A.Iwata
    • 雑誌名

      Natural History Bulletin of Siam Society

      巻: 57 ページ: 3-18

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The management of aquatic resouces in the Ou River basin2012

    • 著者名/発表者名
      Phousavanh, p., A.Iwata, S.kobayashi
    • 雑誌名

      me proceedings of the international workshop on "Incentive of local community for REDD and semi-domestication of non-timber forest products

      ページ: 146-162

  • [学会発表] 生物多様性と地域の文化-水産資源の持続的利用と希少種の保全-2012

    • 著者名/発表者名
      岩田明久
    • 学会等名
      愛媛県生物多様性普及推進フォーラム
    • 発表場所
      愛媛大学(招待講演)
    • 年月日
      2012-03-04
  • [学会発表] Bor prawn (Macrobrachium yui) Fishery in the Ou River Basin, Northern Lao PDR2011

    • 著者名/発表者名
      Phousavanh P., A.Iwata, S.Kobayashi
    • 学会等名
      第110回日本熱帯農業学会講演会
    • 発表場所
      信州大学
    • 年月日
      2011-09-17
  • [学会発表] Small Scale Commercial Product of Cladophora spp.in the Ou River Basin, Northern Lao PDR2011

    • 著者名/発表者名
      Phousavanh P, A.Iwata, S.Kobayashi, S.Takeda
    • 学会等名
      第21回日本熱帯生態学会年次大会
    • 発表場所
      沖縄県那覇市男女共同参画センター
    • 年月日
      2011-05-27
  • [図書] Systematics of Odontobutidae, in The Biology of Gobies2011

    • 著者名/発表者名
      Iwata, A
    • 総ページ数
      685
    • 出版者
      Science Publishers, British Channel Island, USA, and CRC Press, New York, USA

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公開日: 2013-06-26  

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