本研究はラオス北部、メコン河支流の山間地河川であるウー川流域を調査地として、4年間に渡り、雨季と乾季を中心として時期をずらしながら、年に二回のフィールド調査を実施し、調査地周辺に生息する成魚の種同定と生態情報の収集、卵・仔稚魚の調査、水文環境・景観調査および水域環境測定等の環境特性の調査を行う。これらの調査によって得られた情報を基に山間地河川に生息する魚類の産卵場所・仔稚魚の成育場所の特性を解明し、水産資源の適切な管理と持続的利用に向けての具体的な方策を提言し、当該国・地域に貢献することを目的とする。 調査地はラオス北部、メコン河支流の山間地河川であるウー川流域の上流・中流・下流に位置するパクウー村、ノンキャオ村、ポンサリ村周辺である。連携研究者は研究代表者の指示のもとに、研究代表者とともに恒久的水域、一時的水域での各種漁具を用いた成魚の採集、市場調査での村人へのインタビューによる調査地周辺の魚類相や各種魚類の繁殖期と産卵場所を含む生態的情報の収集、稚魚ネット・プランクトンネットを使用しての卵・仔稚魚の調査および水文環境・景観調査・水域環境測定等による調査地の環境特性を把握する。県職員、ラオス大学農学部講師および彼の指導する学生は上記調査の補佐を行う。年に三回、国内でワークショップを開催して研究成果の評価と軌道修正を行いながら、最終年次にはラオスでワークショップにより調査結果を報告するとともに、学術論文や学術出版物は勿論のこと、HPで社会に結果を公表するとともにパンフレットの作成等でラオス国立大学や調査地の住民に成果を還元する。
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