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2011 年度 実績報告書

東南アジアのフグ類の分類と毒性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20405034
研究機関独立行政法人国立科学博物館

研究代表者

松浦 啓一  独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 部長 (70141984)

研究分担者 佐藤 繁  北里大学, 海洋生命科学部, 准教授 (20170748)
キーワードフグ / 分類 / フグ毒 / 南シナ海 / 中毒 / 東南アジア
研究概要

今年度はマレーシアのボルネオ島北東部の魚市場を調査した。その結果,モヨウフグ属魚類が他の魚類と一緒に魚市場で販売されていることが明らかになった。現地調査で確認されたモヨウフグ属の種は,ケショウフグ,サザナミフグ,モヨウフグおよびワモンフグであった。いずれも全長30cmから50cmの個体で,皮を剥いて大部分の内蔵を除去した状態で販売されていた。しかし,モヨウフグの肝臓を付けたまま販売している例もあった。モヨウフグ属の筋肉や内臓には強毒がある場合が多いため,マレーシアの研究者に魚市場でフグ類を取り扱うことを禁止するように助言した。
本研究は今年度で終了するため,これまでに南シナ海で採集したフグ類の分類学的特徴と毒性分析の結果をとりまとめた。その結果,従来,Lagocephalus spadiceusと別種とされていたLagocephaluse wheeleriは同種であることが明らかになった。本種は日本国内,台湾およびベトナムで大量に利用されている。和名を学名に連動させると本種の和名はモトサバフグとなる。しかし,国内では本種をシロサバフグという和名で呼んでいた(厳格に言うとL.wheeleriがに対してシロサバフグが用いられてきた)。このため学名と和名を厳格に連動させると,国内市場に混乱が生じる恐れがあるため,多用されてきたシロサバフグを和名として用いることにした。また,インド洋西部に分布するLagocephalus guentheriはL.spadiceusに類似するが,尾鰭の特徴で識別できることが明らかになった。また,ドクサバフグLagocephalus lunarisは従来,熱帯域に生息すると言われていたが,近年,日本の高知県や宮崎県でも多数採集されていることが明らかになった。ドクサバフグはシロサバフグに類似するが,背中に分布する小棘の広がりの程度によって区別できる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] The first record of Lagocephalus guentheri Miranda Ribeiro, 1915 from the Red Sea with notes on previous records of L.lunaris (Actinopterygii, Tetraodontiformes, Tetraodontidae)2011

    • 著者名/発表者名
      Matsuura, K., D.Golani, S.V.Bogorodsk
    • 雑誌名

      Bull.Natl.Mus.Nat.Sci, Ser.A

      巻: 37 ページ: 163-169

    • 査読あり
  • [図書] Fishes of Terrengganu---East Coast of Malay Peninsula, Malaysia2011

    • 著者名/発表者名
      Motomura, H., K.Matsuura, N.Azhar, M.A.Ambak
    • 総ページ数
      251
    • 出版者
      National Museum of Nature and Science, Universiti Malaysia Terrengganu and Kagoshima University Museum

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公開日: 2013-06-26  

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