研究概要 |
1. 栽培試験の開始 雨季作稲の栽培試験を開始した。非感光性品種RD33を用い、籾殻薫炭及び窒素肥料を組み合わせた、対照区を含む7区を設定した。生育過程において、各区の地上部FWおよびDWを測定し、収穫時にはC/N比、収量、収量構成要素を測定した。また、各区の収量から乾燥指数を算出した。さらに移植前と収穫後の土壌を15センチ刻み75センチ深まで5区分採取し、土壌pHとEC, NO3、C/N比を測定した。この結果、薫炭区の生育の優位性が観察され、ここから籾殻薫炭が窒素肥料を保持していると予測されたため、データの解析を続けているところである。また、水稲収穫後の乾季作の作付けも今年度から開始できた。エダマメ、落花生等マメ科作物を、水稲収穫後の12月字中旬に播種、これを平成22年3月に収穫し、データを収集した。 2. 農家経済調査の実施 天水田稲作地帯に調査村(総農家数約180戸)において、乾季の農家の活動実態聞き取り調査を実施した。この結果、高齢農家は乾季に何の就業もしておらず子らからの送金に頼っていること、親世代が50歳代で2世代居住している世帯では、親世代酒農業を、子世代が村内・近隣村での非農業就業をしていることなど、いくつかの傾向が認められた。 また、同上の調査村には、11戸の水稲二期作農家、5戸の水稲裏作として落花生の作付け農家がいる。この16戸について、各作物の収益性を調査した。その結果、落花生の種子が高価でることと、販売価格が低いなどから、乾季の氷稲作に比較すると落花生の収益性が低いことが明らかになった。収益性の改善のためには、栽培技術の向上が必要であることが明らかになった。 3. 水利実態調査の実施 水利実態調査を実施し、村内の水資源の状況について踏査するとともに、二期作地帯に水位観察用の井戸を農家圃場に掘ることが可能か否か、現地の研究機関および農家との検討をはじめた。
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