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2010 年度 実績報告書

神経疾患を引き起こすレトロウイルスの起原とゲノム多様性

研究課題

研究課題/領域番号 20405039
研究機関北海道大学

研究代表者

落合 謙爾  北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 准教授 (80214162)

研究分担者 大橋 和彦  北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (90250498)
キーワードトリのグリオーマ / 中枢神経系腫瘍 / 分子系統進化 / レトロウイルス / トリ白血病ウイルス
研究概要

研究代表者は「トリのグリオーマfowl glioma」がA型トリ白血病ウイルス(ALV-A)感染症であることを明らかにした。本課題の目的は1990年代に日本に出現したトリのグリオーマ誘発ウイルス(FGV)の起原を明らかにするとともに,神経病原性を獲得したALVのゲノム多様性を解析することである。今年度得られた成績は以下の通りである。1.ドイツで系統維持されている鶏8系統,計42羽をFGV特異的nested PCRで検索したが,FGVは検出されなかった。現在,クロアカ拭い液からALVの分離を試みている。2.昭和中期からほぼ閉鎖的に維持され,ヨーロッパに輸出されたことのある熊本地方の日本鶏の脳を検索し,グリオーマ関連病変をもつ鶏からALV9株を分離した。PCR検出領域の塩基配列を解析すると4株はFGV変異株であった。しかし,残りのALVにはFGV特異配列の相同性が50%以下の2株(Km_5843,5844)とFGV特異配列を欠く2株(Km_5666,5845)が存在した。このため,Km_5666,Km_5843,Km_5845のウイルスゲノム全長の塩基配列を解析すると,これら3株のゲノム構造はほとんどの領域が内在性レトロウイルスALV ev-1に高い相同性を示し,Km_5666のenvのみFGVに高い相同性(95%)を示した。以上の成績から,熊本の日本鶏にはFGV変異株とev-1に由来するALVが感染しており,これらがグリオーマを引き起こしていると推察される。3.熊本の日本鶏から新たに神経周膜腫が発見され,FGVとは異なるALVが分離された。神経周膜腫の野外例からALVが分離されたのは世界で初めてのことである。4.グリオーマと心筋異常を併発した日本鶏が発見され,FGVとは異なるALVが分離された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] トリレトロウイルス感染鶏に認められた心筋の形態異常2011

    • 著者名/発表者名
      藪下広樹, 他6名
    • 学会等名
      第151回日本獣医学会学術集会
    • 発表場所
      東京農工大学
    • 年月日
      20110330-20110401
  • [学会発表] 野外で発生した鶏の多発性神経周膜腫の病理学的ならびに疫学的検索2011

    • 著者名/発表者名
      光廣直貴, 他6名
    • 学会等名
      第151回日本獣医学会学術集会
    • 発表場所
      東京農工大学
    • 年月日
      20110330-20110401
  • [備考]

    • URL

      http://www.vetmed.hokudai.ac.jp/organization/comp-pathol/daimoku-glil.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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