研究課題
H21年度はベトナム獣医師会(VVA)、ベトナム国立衛生疫学研究所(NIHE)の協力を得、北部ベトナムハノイ近郊にあるダンフオン村にある家畜肥育農家のうち野鳥の飛来に有利となる水源(河川、湖沼)に近接し、かつ家禽とブタとを近接飼育する農家10戸からインフルエンザが流行する冬季(1月、2月、3月)に連続して家禽およびブタからサンプリングを行った。アヒル、鶏、ブタそれぞれ600羽、600羽、および300頭から、家禽は咽頭ぬぐい液および総排泄腔ぬぐい液、ブタは鼻腔ぬぐい液をそれぞれ採取した。そのうち、アヒル由来検体の約80%、鶏由来検体の約50%、ブタ由来検体の約80%からインフルエンザM遺伝子が検出された。それらの検体からインフルエンザウイルス分離を試みる。一方H20年度に採取したアヒル由来検体2,919検体中253(8.7%)検体からM遺伝子が検出され、そのうち22検体(0.75%)からインフルエンザウイルスが分離された。その内訳は1株がH9N2亜型、21株がH6N1亜型であった。採取した検体を用いたRT-PCR法にて得られたインフルエンザ亜型は、その検体から分離したウイルス亜型とほぼ一致した。本年度は引き続き全塩基配列を決定する。H5N1亜型は分離されなかった。ブタ由来検体60検体中8(13%)検体からM遺伝子が検出されたものの、ウイルス分離には至らなかった。ブタ由来検体より直接RT-PCR法を用いてHA亜型決定を試みた処、季節性インフルエンザH1N1(ヒト型)が検出された。
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J.Vet.Med.Sci.2010 (In press)
Microbiol. Immunol. 54
ページ: 58-62