本研究は、人為的に導入された日本在来の海外侵入生物ナミテントウをモデル生物として、侵入・定着段階の異なる国内外の複数の地点で、日本在来の海外侵入生物であるナミテントウが、どのように定着分布拡大しているか(或はするか)を、個体群生態学・行動学的手法を用いた海外野外調査で明らかにし、ナミテントウが短期間に原産国以外で定着・分布拡大した実態や要因を包括的に解明すると同時に、ナミテントウが他種と共存できるメカニズムを、同族の近縁種や未知の共存可能な種類に着目し、そのメカニズムを個体群生態学・行動学・生理学・遺伝学的手法で明らかにし、複雑な野外生態系で侵入した地域の在来種の捕食者群集の多様性を保持しながらどのように管理してゆくか、その管理システム構築を研究目的としている。日本在来の海外侵入生物ナミテントウを材料に、ナミテントウの他種との共存メカニズム解明のため、国内外での野外調査及び室内実験をおこなう。
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