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2011 年度 実績報告書

コウモリを自然宿主とする新興・再興ウイルス感染症の出現予測

研究課題

研究課題/領域番号 20405049
研究機関名古屋大学

研究代表者

本道 栄一  名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (30271745)

研究分担者 前田 健  山口大学, 農学部, 教授 (90284273)
水野 拓也  山口大学, 農学部, 教授 (90398826)
竹松 葉子  山口大学, 農学部, 准教授 (30335773)
キーワードオオコウモリ / 新興感染症 / テレメトリー / ウイルス / 環境計測
研究概要

年度当初に、オーストラリアでヒトのヘンドラウイルス感染症の報告があったことから、発生地を季節的な渡りの通過点としている王立シドニー植物園に生息するオオコウモリに関する情報を収集した。植物園に生息する大多数のコウモリは、ハイガシラオオコウモリであり、植物園内にはおよそ2万頭存在した。冬にかけてはシドニー市をほぼ南限として、多くのハイガシラオオコウモリはオーストラリア東海岸に沿って北上するようである。植物園で行われた足環を使ったハイガシラオオコウモリのトラッキングでは、約3ヶ月後にシドニーの北約900キロのところで発見されている。先のヒトのヘンドラウイルス感染症が発生したオーストラリアQueenslandは、ハイガシラオオコウモリの生息域とよく一致した。オーストラリアのオオコウモリはパプアニューギニアのオオコウモリと交通していることが知られているので、平成24年1月、近隣のミンダナオ島にてArgos発信器を装着したヒメオオコウモリの追跡調査を行った。フィリピン政府からの捕獲許可の関係で、ミンダナオ島北端のスリガオ周辺で捕獲したヒメオオコウモリを、Bukidnon郊外のMusuan Peak Zoological Garden(セントラルミンダナオ大学内)にて放った。結果、平成24年3月時点では同発信器を持ったヒメオオコウモリはミンダナオ島の外へは出ないが、固定した生息地を定期的に転々と変えている様子が観察された。さらに、国内のヤエヤマオオコウモリについて、血清学的調査を行った。結果、既知の、ヒトに病原性を持つウイルスが感染した形跡は認められなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

調査を続けた結果、オオコウモリの行動パターンは予想外に複雑で、シロアリによる環境変化測定の結果が容易に関連付けられるものではないが、東南アジアやオセアニア、さらに米国、日本と互いの連絡通路が推測できるようになってきたこと、血清学的検査もデータが出てきていることから、おおむね順調に進展しているとした。

今後の研究の推進方策

昨年度は、ヤエヤマオオコウモリへ装着したArgos発信器は15グラムのものであったこと、それを装着して自然に飛行できるコウモリが採集できなかったため、本年度は12グラム、9.5グラムもしくは5グラムの発信器を用いてテレメトリー調査を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 東南アジア・オセアニアのオオコウモリ2012

    • 著者名/発表者名
      本道栄一, ら
    • 雑誌名

      山口県獣医師会雑誌

      巻: (印刷中)

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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