研究課題/領域番号 |
20406001
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
石原 陽子 久留米大学, 医学部, 教授 (50203021)
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研究分担者 |
柴田 彰 久留米大学, 医学部, 准教授 (10113226)
長谷川 豪 久留米大学, 医学部, 准教 (80383751)
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キーワード | 越境長距離輸送粒子 / 黄砂 / 砂塵 / 生体影響 / PM2.5 / 個人暴露量 / 大気中粒子状物質 / 慢性閉塞性肺疾患 |
研究概要 |
近年、中国の重工業化に伴い、偏西風による大陸からの黄砂を含む砂塵などの越境長期輸送粒子の日本への影響が懸念されている。しかしながら、飛来粒子の性状や成分及びそれらの生体影響については未だ充分には解明されていない。そこで、中国北部の黄砂が飛来する北京市で春、黄砂飛来中、秋、冬の4期、黄砂飛来地帯より北部でむしろ砂漠化により主に砂塵が飛来する内モンゴル自治区ウランホトで冬期に、黄砂を含む越境長距離粒子が飛来する久留米市で春、黄砂飛来期、秋、冬の4期、各1週間、大気中粒子状物質PM2.5、粒径分布及び個人暴露量を、それぞれlow volume sampler、APS測定器、個人暴露測定器で測定した。その結果、個人暴露量は、大気中PM2.5重量とよく一致したが、喫煙者ではPM2.5重量よりも個人暴露量が明らかに高い値を示した。重量と成分分析には地域差が見られ、曜日や時間帯で異なった結果が得られた。内モンゴルでの冬季の測定は、外気が零下20度以下、電力供給の不安定さのために、low volume samplerが故障し、個人暴露量と粒径測定のみ可能であった。平成21年度は、ウランホトで春、夏、秋期に測定を行なう予定である。なお現在、大気中成分や重量の季節毎の変動及び地域的特性について詳細に検討中である。 慢性閉塞性肺疾患患者で独自の調査票とCOOP/WANCAチャートを用いて黄砂の影響を把握する為に、2国間での国際比較のために調査票の信頼性・妥当性について高齢健常者、慢性閉塞性肺疾患患者、高齢喘息患者を対象に検討中である。特に、慢性閉塞性肺疾患患者で黄砂前、黄砂飛来次期、黄砂飛来後の3区間、同一被検者でCOOP/WANCAチャートで3回測定する為に質問内容の見直しや、肺機能測定の条件などを検討中している。
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