研究課題
【海外フィールドワーク】:ベトナム、マレーシア、ネパール等の複数のアジア地域において、飲用井戸水を採取後ICP-MSを用いて飲用水に含まれる無機物質の濃度を測定した。特に、マレーシアにおける飲用井戸水で、ヒ素およびマンガン汚染を世界で初めて報告した。海外フィールドワークにより採取された飲用井戸水の解析により、ヒ素汚染地域の井戸水において、ヒ素以外の種々の無機物質も高いことが判明した。【重金属除去剤の開発】:ヒ素が、システインを標的として作用し、癌遺伝子産物の活性修飾を介して発癌毒性を発揮する新機構を提唱した。さらに、本機構に基づき、L-システインを用いたヒ素の発癌毒性制御療法を提案した。本療法は、ヒ素の抗癌作用を弱めることなく、ヒ素の発癌作用を抑制する可能性があり、慢性ヒ素中毒患者における癌の発症予防に有効である可能性がある。【毒性機構の解析】1) マンガンには、神経毒性があり、パーキンソン病様の症状を誘発することが知られている。本研究では、マンガンが神経細胞に影響を与える機構について、分子メカニズムを解析している。2) 慢性ヒ素中毒患者からの発癌率の高い地域(バングラデシュ等)と比較的低い地域(ベトナム等)を比較して、何が原因で、こうした差が生まれるのかを検討している。こうした検討の中で、現在までに発癌毒性が報告されていない重金属が、細胞内シグナル伝達分子(Src、FAK、ERK、コラーゲン分解酵素等)の活性を修飾し、足場非依存性の細胞増殖や細胞浸潤に関与している可能性を、試験レベルで証明した。現在、論文として投稿中である。
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