研究概要 |
本邦とアジア圏<東アジア-韓国,中国と西アジア-ネパール,イラン>5カ国及び米国での閉経後女性の健康長寿の可能性を,HRT、メタボリック症候群や各生活習慣病(高脂血症、糖尿病等)、ADL障害や認知症の頻度、病態認識、社会背景を含め明らかにし海外コホート調査として発展させ7年間の成績を得る。対象に長寿者を加え例数、調査項目を倍加しアジアを代表する女性の健康長寿調査拠点を確立する。遺伝素因が近似する東アジア3カ国に加え,民族背景を加味した西アジア2ヶ国と米国で年齢を一致させ検討する。各国で百寿者を多数輩出する長寿地区(中国:成都近郊とチベット、韓国:慶州近郊、ネパール:ヒマラヤ山麓等)にフィールドを広げる。(1)肥満度,血圧,空腹時血液脂質値,血糖値、HbA1C,肝腎機能,血圧等の基礎指標値,各種ホルモン血中濃度(2)合併症,家族歴、(3)ADL等のCGA(高齢者総合機能評価)、(4)HRTへの期待項目という前回調査項目に加え、(5)腹囲測定を追加しメタボリック症候群発症率(診断基準は各国別とWHO,日本の3法併用)、(6)患者意識,(7)食事、運動量、(8)医療費、(9)living will(終末期を含む医療希望)調査を行う。則ち本邦高齢女性の生活習慣病、メタボリック症候群の診断治療法も考慮した民族ベースの海外医療調査を行う。前回得た血液凝固因子(V,VII)、凝固線溶遺伝子(PAI-1等)に加え、メタボリック症候群関連(インスリン抵抗性、糖代謝、脂質代謝関連)遺伝子、血管内皮機能関連遺伝子、長寿遺伝子等、10倍の約100種を検討し詳細に解析する。薬剤反応性も考えにエストロゲン受容体α,β変異,チトクロームP450等,薬物代謝酵素系SNPも含む。糖尿病、メタボリック症候群関連の各国生活環境の差も明らかにし,本邦の治療の先行指標を得る。
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