研究課題/領域番号 |
20406011
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研究機関 | 千葉科学大学 |
研究代表者 |
増澤 俊幸 千葉科学大学, 薬学部, 教授 (10181645)
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研究分担者 |
大橋 典男 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (10169039)
角坂 照貴 愛知医科大学, 医学部, 講師 (90109760)
岡本 能弘 千葉科学大学, 薬学部, 准教授 (40261036)
福井 貴史 千葉科学大学, 薬学部, 助教 (10453482)
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キーワード | アナプラズマ / ライム病 / ボレリア / マダニ / Anaplasma / Borrelia / Ixodes / ダニ媒介性感染症 |
研究概要 |
本年度は、トルコ、並びに台湾でアナプラズマ、ライム病ボレリアを保有する可能性のある野鼠、マダニの採取を行った。あわせて、アナプラズマの保有体の可能性が高いヤギ血液の採取を行った。マダニIxodes ricinus250個体を解剖し、DNAを抽出後、アナプラズマとボレリア遺伝子をリアルタイムPCRにより検出した。陽性試料についてPCRを再度行い得られた増幅産物のサイクルシークエンス反応によりその配列を決定し、目的病原体由来増幅産物であることを確認した。アナプラズマとライム病ボレリアの保有率はそれぞれ14.8%、19.6%であった。農村部でヤギの放牧が広く行われているブルガリア国境付近のKirklareli州では、アナプラズマの保有率が高く(18.9%)、一方都市部のイスタンブール周辺ではボレリアの保有率が高く(38.7%)、両病原体の分布の明確な違いが示された。アナプラズマは主にヤギなどの反芻動物を、一方ライム病ボレリアは野鼠などの小型ほ乳類や鳥類などを主な保有動物とする事実を反映した結果と推察する。この様にトルコでは両病原体の分布密度が地域により異なる可能性が高く、結果として1個体のマダニ中に共感染が見られたものは3/250(0.8%)とわずかであった。このように両病原体の分布密度にかなりの偏りが見られるが、これを確認するためにはさらなる追加調査が必要である。また、トルコのヤギ血液、並びに台湾の試料については、3月に採取調査を行ったため解析はこれから行う。
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