研究課題
基盤研究(B)
(1)目的フィリピンをフィールドにして血液媒介感染で始まると予想されるHIVの流行の早期発見と阻止のための方法論を検証している。(2)作業仮説「感染経路媒介物が血液にほぼ限られるC型肝炎ウイルス(HCV)の追跡により、HIV流行の初期像を捉えることが可能である。」と考えた。そして、新たなHCVの侵入はHIVの侵入経路を示唆すると仮定した。(3)組織の構築初年度、(2008年:平成20年)、フィリピン疫学センター、国立サンラサロ病院検査研究部(エイズの確定診断担当部局)を頂点に全国組織のサーベイランスが組織され、ウイルス学的な解析を我々が支援する形ができた。現地では血清学的検査を行い、鳥取大学でウイルス核酸解析を行う。また、国立サンラサロ病院検査研究部(エイズの確定診断担当部局の部長を日本に招聘し、医学博士論文作製を目標に技術供与を行うことも決定した(2010年、平成22年より開始のRonpakuプログラムDOST-11027)。全国サーベイランスのひとつの部門として、血液媒介感染のハイリスク集団である注射薬物使用者調査が可能になった。従来から観察を続けていたセブ都市圏に加え、サンボアンガ市、ジェネラルサントス市が加わり、全部で3つの地域になった。それぞれ300人、合計で900人規模である。2007年から始まったこの形式は、2年毎に行われることになった。この全国調査では、マニラ首都圏在住の注射薬物使用者からサンプル採取ができないため、マニラ首都圏の流行ウイルスデータは、国立サンラサロ病院検査研究部(エイズの確定診断担当部局)に定期的に送付されるレファレンスサンプルから得た。全て、匿名化され、特に日本の作業は鳥取大学の倫理委員会の承認を得た。平成23年2月には、国立国際医療研究センターでのアジア規模の会議に参加し、アジア規模の共同作業が期待されている。さらに、WHOアジア太平洋地域事務局との共同研究協議がマニラで予定されている。
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J Med Virol in press.
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