• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

ネパールでのロタウイルスワクチン導入が重症下痢症および流行株に及ぼす影響の評価

研究課題

研究課題/領域番号 20406013
研究機関長崎大学

研究代表者

中込 治  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70143047)

キーワードロタウイルス / 分子疫学 / 遺伝子型 / 流行株 / G12 / ネパール
研究概要

これまで、ネパールにおいては、世界的にもきわめて特殊なG12ロタウイルス株が流行していることを報告してきた。本研究では、ワクチン導入前のネパールにおける重症ロタウイルス下痢症の発生状況(基幹小児病院における調査)および野生株の流行動態(ロタウイルス陽性検体の分子疫学的解析)を調査した。特に世界的にまれでありながらネパールにおいて優勢を占めるG12P[6]ウイルス株の動態について明確にし、ワクチンによる介入のない状態での基盤資料を整備した。具体的には、本年度を含め2003年以来のネパールにおけるG12P[6]株は約30%という高率を維持しながら流行していることがわかった。そこで、2007年11月から2010年2月までに収集したG12P[6]株145株について、ゲノムRNAの電気泳動を繰り返し、15のelectropherotype、すなわち15種類のG12P[6]ウイルス株が存在することを明らかにした。これは、ネパールにおいてはG12P[6]という遺伝子型が何年にもわたり続いており、また、ロタウイルスの流行が年間を通じてみられるにもかかわらず、ただ1種類のG12P[6]ウイルス株が流行しているのではなく、多数の異なる株が流行していたことを示している。さらに、これら15種類のG12P[6]の間には出現頻度に大きな差があり、LP1,LP24,およびLP27.という3種類のウイルス株が、この順序に、ほぼ置き換わるようにして出現してきていることが分かった。このことから、G12P[6]ウイルス株は、多数の同時に流行している株の中からよりフィットネスが高いウイルス株が出現し優勢になると、ふたたび別のさらにフィットネスが高いウイルス株に置換されるというダイナミックな動態をとりながら進化しているものと考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The occurrence of amino acid substitutions D96N and S242N in VP7 of emergent G2P[4] rotaviruses in Nepal in 2004-2005 : a global and evolutionary perspective2011

    • 著者名/発表者名
      Doan YH
    • 雑誌名

      Arch Virol

      巻: 156 ページ: 1969-1978

    • DOI

      10.1007/s00705-011-1083-z

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Clinical features and molecular epidemiology of rotavirus and norovirus infections in Libyan children2011

    • 著者名/発表者名
      Abugalia M
    • 雑誌名

      J Med Virol

      巻: 83 ページ: 1849-1856

    • DOI

      10.1002/jmv.22141

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Detection and molecular characterisation of rotavirus and norovirus infections in Jordanian children with acute gastroenteritis2011

    • 著者名/発表者名
      Kaplan NM
    • 雑誌名

      Arch Virol

      巻: 156 ページ: 1477-1480

    • DOI

      10.1007/s00705-011-0996-x

    • 査読あり
  • [学会発表] Possible implication of amino acid substitution D96N in the VP7 gene of G2P[4] strains emerging in Nepal and elsewhere in the context of the evolution of G2 strains2011

    • 著者名/発表者名
      Doan YH
    • 学会等名
      XV International Congress of Virology
    • 発表場所
      Sapporo (Hokkaido)
    • 年月日
      20110911-20110916

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi