研究課題/領域番号 |
20406019
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研究機関 | 国立病院医療センター(臨床研究部) |
研究代表者 |
加藤 規弘 国立国際医療センター(研究所), 遺伝子診断治療開発研究部, 部長 (80293934)
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研究分担者 |
家森 幸男 武庫川女子大学, 付置研究所, 教授 (80025600)
眞茅 みゆき 国立国際医療センター(研究所), 医療情報解析研究部, 室長 (60415552)
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キーワード | メタボリックシンドローム / 糖尿病 / スリランカ / 地域保健 / 遺伝疫学 / 内蔵肥満 / 心血管病 |
研究概要 |
スリランカでは我が国のような国勢調査は実施されていないが、各医療管轄区において、一定単位の住戸数の人口調査(粗)情報を地域保健の担当者が個別に保有している現状である。そこで先ず、その「粗情報」を管轄区全体のbaselineデータベースとして整備することから開始した。しかる後に、このデータベースに基づいて首都Colomboの北に位置するRagama地区、及び、より農耕中心の生活を営むEmbilipitiya地区で35-60歳の人々を無作為選出し、コホート研究の調査対象とする。Ragama地区では横断調査を実施し、目標数を上回る3012名の被験者から試料等(アンケート調査票への回答と空腹時に採取された血液10ml)を収集し終えた。そのデータベース化に向けた格納システム(英語版)の作成と運用、疫学データを用いた生活習慣病に関する要因分析、収集したDNAを用いた糖尿病、肥満に関わるSNP解析等を行なった。一方、内陸部の、比較的隔離された環境下で生活を営む人々を対象としたTea Factory Studyとして、Talawakelle estateを対象に、居住者の約半分に相当する500人の全数調査を開始し、平成20年度中に、目標数の4分の3(366人)の検診を終了した。 Ragama地区の調査結果からは、従来、予測されていた以上に糖尿病の頻度が高いこと(対象集団中の20%以上)、脂質異常症の頻度が高いこと、さらに内蔵肥満を中心としたメタボリックシンドロームの頻度が高いこと、などの実証データが得られた。また遺伝疫学解析では、日本人、スリランカ人、ヨーロッパ系白人の間で、肥満の遺伝素因が、一部分重複するものの、主たる要因が異なる可能性も示唆された。
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