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2008 年度 実績報告書

極限高地生息動物の肺循環特性-Rhoキナーゼを中心とした分子生物学的研究-

研究課題

研究課題/領域番号 20406021
研究機関福井大学

研究代表者

石崎 武志  福井大学, 医学部, 教授 (80151364)

研究分担者 松川 茂  福井大学, ライフサイエンス支援センター, 准教授 (00092809)
酒井 秋男  松本大学, 人間健康学部, 教授 (70020758)
小泉 知展  信州大学, 医学部附属病院, 准教授 (20273097)
栂 博久  金沢医科大学, 医学部, 教授 (90142554)
飴嶋 慎吾  福井大学, 医学部附属病院, 講師 (60262614)
キーワード高地適応動物 / ヤク / 牛 / 肺高血圧症 / 右心カテーテル法 / Rhoキナーゼ
研究概要

低酸素性肺高血圧症成立にRhoキナーゼの関与が重要との報告がなされている。このRhoキナーゼはNOによって誘導されるcGMPにより抑制されることも報告されているが、申請者らは極限高地生息動物のヤクでは肺血管NO合成酵素活性が維持されていることを既に報告した。そして、極限高地生息動物の肺循環特性(低酸素暴露にもかかわらず肺高血圧症・肺性心を発症しないこと)にはRhoキナーゼのdown regulationが強く関与しているという仮説を実証すべく、今年度は高地生息の2歳の雄ヤクと2歳の雄牛を海抜2900mの場所で肺循環測定実験に供した。
ベースラインの肺動脈圧を測定後Rho-キナーゼ抑制剤(Fasudil)60mgを20mlの生理食塩水に溶かしたものを10mg/分の流速で末梢静脈から投与した。投与後経時的に肺動脈圧を測定した。
結果はヤクでは、スタート時、Fasudi投与後5分、10分、15分、20分で平均肺動脈圧(mPAP)は17mmHg, 14, 15, 16, 17mmHgほとんど薬剤の影響を受けなかった。一方、雄牛では70mmHg,30, 33, 40, 48と5分後に急激なmPAPの減少を来たし、その効果は少なくとも投与後20分持続した。
研究結果は(1)高地適応動物であるヤクは低酸素環境にもかかわらず、肺高血圧を生じず、かつ、Rhoキナーゼ系は肺循環では働いていないという仮説に矛盾のない成績であった。一方、高地に適応できない牛は海抜2900mの高度で著明な高血圧症を呈し、その理由のひとつにRhoキナーゼ系が役割を果たしているという推定を導く成績であった。ヤクの肺標本を作製しRhoキナーゼ系の発現を検索中である。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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