研究課題/領域番号 |
20406021
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
石崎 武志 福井大学, 医学部, 教授 (80151364)
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研究分担者 |
松川 茂 福井大学, ライフサイエンス支援センター, 准教授 (00092809)
酒井 秋男 松本大学, 人間健康学部, 教授 (70020758)
小泉 智展 信州大学, 医学部附属病院, 准教授 (20273097)
栂 博久 金沢医科大学, 医学部, 教授 (90142554)
飴嶋 慎吾 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (60262614)
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キーワード | 高地適応動物 / ヤク / 肺高血圧症 / Rhoキナーゼ / エンドセリン |
研究概要 |
当該年度は研究期間内に得られた実験結果をもとに、その成果と問題点、今後の研究の展開などを意見交換すべく海外共同研究者を我が国に招いた。平成23年6月24日~6月29日に我が国の共同研究者の居る福井大、金沢医大および松本大にて講演討論会を開いた。特に、金沢医大では第10回Japan Sea International Lung Conferenceの形を取り、キルギス(New approaches in treatment of high-altitude pulmonary arterial hypertension. L-arginine and Rho-kinase inhibitor study),日本(Lung structure maintenance program : role of HIF-1alpha),オランダ(The heart of the matter : treating right ventricular dysfunction and failure in pulmonary hypertension),アメリカ(New concepts of pulmonary vascular remodeling and potential consequences for treatment of severe pulmonary hypertension)各国の研究者が肺高血圧症をテーマに英語でやり取りをおこなった。また、松本大では国際交流センターでキルギス人共同研究者が「天山山脈の高山生息動物と人間の高山病比較」のテーマで公開講座を行った。その結果、(1)高地適応動物のヤクと比較しウシ(平地に生まれ高地環境に生息)や慢性高山病に罹患した高地居住キルギス人ではRho-kinase系が活性化しているのみならず、エンドセリン系も活性化して肺血管トーヌスを緊張させている。(2)エンドセリンゲノムの解析で高地居住キルギス人の慢性高山病罹患者では-4a ET-1 allele変異が特異的に認められる。などが共通認識として得られた。エンドセリンは肺高血圧症の血管線維化にconnective tissue growth factorの発現と放出を通して寄与していると考えられており、Rho-kinase抑制剤がそれを抑制することも知られているので、ヤクRho-kinase系ゲノムRock1,2解析結果はまだ得られていないが、エンドセリン系-Rho-kinase系の変異が存在する可能性がある。
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