研究課題
基盤研究(B)
慢性腎臓病(CKD)の診断と重症度分類には腎機能を推算糸球体濾過量(GFR)で評価する必要がある。推算GFRは血清クレアチニン(Cr)値と年齢、性別より算出するため、Crが正確に測定されることが重要である。本研究では韓国、台湾、タイの共同研究者とイヌリンクリアランス検査を行う際に採血した血清を各施設においてJaffe法で、また日本の中央研究所で国際標準化した酵素法で測定し、比較検討した。台湾のJaffe法は国際標準化したCr値に近いが、韓国ではJaffe法の測定値は約0. 2 mg/dL高値となり、Cr測定の標準化の重要性が示された。GFR推算式には人種による係数があるが、アジア人のMDRD式に対する係数は0. 881から1. 2まで大きな差が報告されており、議論となっていた。そこで本研究では日本のGFR推算式作成プロトコールを修正し、韓国人200名、台湾人200名、タイ人60名で同一のプロトコールでイヌリンクリアランスによりGFRを実測し、MDRD式と日本人のGFR推算式の正確性を比較した。韓国人は日本のGFR推算式が優れるが、台湾人ではMDRD式が優れ、Cr産生速度が台湾人で多い、つまり筋肉量の差によるものと推測された。国際標準化したCrと日本人のGFR推算式を用いて愛知県の約10万人の検診受診者においてCKD有病率を検討した。愛知県では男性、女性とも、また各年代とも蛋白尿陽性のCKDが多かった。GFRは男性、女性ともに高齢になるほど低下し、全体ではGFR60未満のCKD有病率は8. 6%と全国調査の10. 6%より少なく、愛知県の人口動態の差が影響していると考えられた。
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