研究課題/領域番号 |
20406029
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
程 〓 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40207460)
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研究分担者 |
丸山 智 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30397161)
朔 敬 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40145264)
山崎 学 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10547516)
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キーワード | 口腔がん / 表在性癌 / 扁平上皮癌 / 発症機構 / 病理疫学 / 分子病理学 / 病理組織学 / 免疫組織化学 |
研究概要 |
前年度までの研究項目を継続し、以下の実験をおこなった。 1)症例収集と疫学調査:口腔粘膜表在性癌症例の症例抽出を、前年度の中国河北医科大学につづき、共同研究者の中国四川省成都市四川大学の呉博士ならびにミャンマー・ネピドー市の国立医学研究所のミィン部長に依頼した。共同研究者の四川大学呉博士が新潟大学に出張し、収集された症例について、組織標本を検鏡して詳細を討議し、表在性癌の組織像にある程度の共通認識を確立した。その表在性扁平上皮癌の共通基準をもとにさらに症例を収集し、必要事項の調査を依頼した。このほかミャンマー国立医学研究所のミィン部長に依頼して引き続き症例を抽出してもらって、来年度の共同での組織標本の検鏡と検討を準備した。 2)口腔粘膜表在性癌の病理組織学的検討:1)で収集した範囲の表在性癌症例について、借用したパラフィンブロックから連続切片を作製し、病理組織学的に再検討するとともに、これまでにわれわれが開発したパールカン等の細胞外基質分子とそれらの細胞膜受容体インテグリンβ1鎖とディストログリカンの上皮層内発現様式、血管増殖因子(VEGF)、上皮増殖因子(KGF)、細胞骨格ケラチンK13、K17、K10、K19分子の発現様式、上皮内血管配置、Ki-67を指標とした細胞周期を免疫組織化学的に決定し、悪性病変でK17出現とK13消失とが対比的に生じること、VEGF・ポドプラニン発現細胞の重層化が悪性指標となりうることを明らかにした。さらに、これらのパラフィン切片作製時に生じる皺予防対策を検討し、酢酸に効果があることをしめした。 3)口腔粘膜表在性癌に関する分子病理学的実験:口腔粘膜表在性癌症例のパラフィン切片より二層性の特性の明らかな症例については、レーザ微小切削法により、二層の上下層を区別してDNAを抽出してポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法によってがん関連遺伝子増幅をおこなった。二層性下半層細胞におけるカドヘリン発現の低下が同遺伝子プロモータのメチル化による可能性した。その結果をまとめた論文は国際的病理学雑誌に発表した。
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