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2010 年度 実績報告書

ランダム写像に基づく非線形概念の学習

研究課題

研究課題/領域番号 20500001
研究機関九州大学

研究代表者

瀧本 英二  九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (50236395)

キーワード計算学習理論 / オンライン予測 / ランキング / エネルギー複雑度 / 局面評価関数の学習
研究概要

1.ランダム写像に基づく学習方式の限界に関する結果
本研究で提案するランダム写像を用いた学習方式が扱う仮説は,3層のしきい値回路によってモデル化できる.仮説のマージンが大きく,中間層に現れる特徴ベクトルのノルムが小さいほど,仮説の凡化誤差限界が小さい.本研究では,中間層の素子の機能を非線形な関数に拡張しても,中間層が表す特徴ベクトルのノルムを小さく抑えようとすると,対称性を持つ関数を学習するためには指数的に大きい素子数が必要であることを示した.この結果は,提案学習方式を拡張したとしても,その効率化に限界があることを意味している
2.ランキング学習に関する結果
写像に基づく学習方式の開発の一環として,n個の要素の順列(ランキング)を仮説空間とするオンライン学習の問題に取り組んだ.この問題は,情報検索を始め,商品推薦,倒産リスク予測,バイオインフォマティクス,自然言語処理など様々な応用分野を持つ.標準的なオンライン学習の手法では,特徴ベクトル空間の任意の点を,与えられた凸多面体に写像する過程が本質的な部分であることが知られている.本研究では,順列の特徴ベクトルを0(n^2)次元の比較ベクトルで表現した場合と,0(n)次元の置換多面体の端点で表現した場合について,それぞれ効率の良い写像アルゴリズムを構築するとともに,提案学習方式の理論的な精度保証を与えた
3.ゲームの評価関数の学習に関する結果
ランキング学習の手法を用いて,将棋の局面評価関数を学習するシステムのプロトタイプを開発した.これは,実際の棋譜データを用いて,プロ棋士が打ちそうな手を,それ以外の手に比べてランクが上位になるように学習を行おうとするものである.予備実験では,わずか100局程度のデータで学習したにもかかわらず,美濃囲いや穴熊などの駒組みに高い評価値を与えるなど,特に序盤において自然な振る舞いを示すことが観察された

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Size-energy tradeoffs for unate circuits computing symmetric Boolean functions2011

    • 著者名/発表者名
      Kei Uchizawa, et al.
    • 雑誌名

      Theoretical Computer Science

      巻: 412 ページ: 773-782

    • 査読あり
  • [雑誌論文] NPN-representatives of a Set of Optimal Boolean Formulas2010

    • 著者名/発表者名
      Hideaki Fukuhara, et al.
    • 雑誌名

      IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences

      巻: E93-A(6) ページ: 1008-1015

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Energy and depth of threshold circuits2010

    • 著者名/発表者名
      Kei Uchizawa, et al.
    • 雑誌名

      Theoretical Computer Science

      巻: 411 ページ: 3938-3946

    • 査読あり
  • [学会発表] Online Prediction over Permutahedron2011

    • 著者名/発表者名
      Shota Yasutake
    • 学会等名
      情報処理学会アルゴリズム研究会
    • 発表場所
      琉球大学(沖縄県)
    • 年月日
      2011-03-07
  • [学会発表] 確率的評価値をもつゲーム木における最善手探索2011

    • 著者名/発表者名
      奥山洋平
    • 学会等名
      冬のLAシンポジウム
    • 発表場所
      京都大学(京都府)
    • 年月日
      2011-02-02
  • [学会発表] カーネル法を用いたコンピュータ将棋の評価関数の学習2010

    • 著者名/発表者名
      末廣大貴
    • 学会等名
      第15回ゲームプログラミングワークショップ(GPW-10)
    • 発表場所
      箱根セミナーハウス(神奈川県)
    • 年月日
      2010-11-12
  • [学会発表] オンラインランク統合問題2010

    • 著者名/発表者名
      安武翔太
    • 学会等名
      第13回情報論的学習理論ワークショップ(IBIS2010)
    • 発表場所
      東京大学(東京都)
    • 年月日
      2010-11-05
  • [学会発表] SVMによるバイパータイトランキング学習を用いたコンピュータ将棋における評価関数の学習2010

    • 著者名/発表者名
      末廣大貴
    • 学会等名
      第13回情報論的学習理論ワークショップ(IBIS2010)
    • 発表場所
      東京大学(東京都)
    • 年月日
      2010-11-04
  • [学会発表] Online rank aggregation2010

    • 著者名/発表者名
      Shota Yasutake
    • 学会等名
      第9回情報科学技術フォーラム
    • 発表場所
      九州大学(福岡県)
    • 年月日
      2010-09-09
  • [学会発表] Size and Energy of Unate Circuits Computing Symmetric Boolean Functions2010

    • 著者名/発表者名
      Kei Uchizawa
    • 学会等名
      The 13th Japan-Korea Joint Workshop on Algorithms and Computation (WAAC 2010)
    • 発表場所
      金沢市文化ホール(石川県)
    • 年月日
      2010-07-23

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公開日: 2012-07-19  

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