研究課題
大規模な平面グラフを計算機上に、コンパクト、かつ、機能的に圧縮して格納する新しいデータ構造を開発することが本研究の目的である。たとえば、極大平面グラフを、わずか2m bitのメモリに格納し、それでも、指定した2点間に辺があるかないかの判定を0(1)時間で計算し、また、指定した1点の隣接点を時計回り順で、隣接点がd個あるとき0(d)時間で計算するような、新しいデータ構造を開発する。すなわち圧縮したまま利用できるすぐれたデータ構造を開発する。理論的に高速であることを保障するのみならず、実装しやすくかつ現実的にも高速なデータ構造を開発する。本年度は、グラフや離散構造に関する様々な列挙問題の出力を圧縮する方法について、いくつかの成果を得た。個々のグラフを独立して出力するのではなく、出力の順序を工夫して、わずかの差分データのみで個々のグラフを、直前に出力したグラフからの差分としてコンパクトに表現できることを示した。特に、平面グラフの前処理として使われるある順序づけの集合、方向付けの集合、各種のあみだくじ(数列の隣接swapによるソート列)の集合、擬似直線のアライメントの集合、グラフ的数列の集合等については、論文としてまとめ、学術雑誌や国際会議にて計10件の発表をした。開発した列挙アルゴリズムは、簡潔で計算も高速である。我々が開発した手法を用いて他の研究者も多くの列挙アルゴリズムを開発している。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (7件)
日本応用数理学会論文誌 (掲載決定)
JGAA Journal of Graph Algorithms and Applications 13
ページ: 5-18
電子情報通信学会英文論文誌A, Vol.E92-A
ページ: 3398-2400