研究概要 |
ネットワーク上での情報フローに関連して生じる様々なNP-困難問題に対して、数理計画法で定式化して高性能近似アルゴリズムを提案することが本研究の目的であるので、以下の研究計画に基づいて研究を実行した。 1.数理計画法で定式化されて得られる解は小数解であるので、それを整数解にラウンディングして近似解とするが、このラウンディングの手法に注目して、高性能近似アルゴリズムを調査し、分類・整理・検討した。さらにその限界が何によるのかを詳細に検討した。 2.情報ネットワークシステムで現在用いられている基礎技術・応用技術をアルゴリズムの観点から調査し、分類・整理・検討した。 3.ウェブ上の情報検索に対する現在の基礎技術および将来要望される応用技術を分類・整理・検討し、情報フロー制御の観点から高性能近似アルゴリズムの適用可能性と限界を詳細に検討した。 4.高性能近似アルゴリズムとWeb情報検索の分野で最先端の研究をしている内外の研究者と情報およびアイデアを交換した。特に、Cornell大学のJ.Kleinberg, E.Tardos, D.P.Williamson, Bonn大学のB.Korte, J.Vygenと情報とアイデアの交換を精力的に実行した。さらに、ACMのSTOCおよびACM/SIAMのSODAの国際会議でも第一線の研究者と研究動向についての議論をした。 5.以上の調査・検討に基づき、情報ネットワークやWeb情報検索の分野で理論的にも実用的にも要求度の高い問題に対して、高性能近似アルゴリズムと有効な新技法を提案した。そして、得られた成果を学術書等で発表した。
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