研究概要 |
まず,単純グラフにおける最大2-辺彩色可能部分グラフ問題の多項式時間近似アルゴリズムを1つ設計した.このアルゴリズムは時間量0(n^2m^2)を要し,近似率0.821を達成する.以前の研究で多項式時間限定の近似アルゴリズムによって達成される最高の近似率は0.814であった. 次に,最大三角形詰め込み問題の確率近似アルゴリズムを設計した.このアルゴリズムは多項式時間を要し,期待近似率0.5257を達成する.以前の研究で多項式時間限定の確率近似アルゴリズムによって達成される最高の期待近似率は0.5181で,HassinとRubinsteinによって証明された.実は彼らが期待近似率0.5266の確率近似アルゴリズムを主張したが,彼らの証明に間違いがあった(本研究者によって指摘した).本研究で得た期待近似率は彼らの主張した期待近似率に近いため,彼らの間違いをある程度訂正したことになった. さらに,安全マルチキャスト鍵管理問題を解くためのアルゴリズムを設計した.このアルゴリズムは動的計画法に基づいており,時間量0(n^2)を要する.動的計画法がこの問題の解決に使えることを証明するには,この問題の深い構造をいくつか明らかにした.本研究で解明したその深い構造はこの問題に関する更なる研究に役立つことになるであろう.
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