Gを平面上に描画されたグラフとし、Gの辺eとfがその描画において交差しているとしよう。 Gからeとfを除いたグラフをG'とするとき、eとfがG'のひとつの面のなかに描かれているならば、eとfの交差は単純であるということにする。すべての交差が単純であるように平面上に描画されたグラフを単純交差グラフということにしよう。今年度は、分枝幅と関連した刻み幅(Carvingwidth、研究計画参照)に対する次の予想の証明の詳細を埋めることに努力を傾注した。 予想:単純交差グラフGの刻み幅は、平面グラフの場合と同様なねずみ捕りゲームの勝敗によって特徴づけられる。 検討の結果、予想は正確な形で成り立つわけではないことが判明した。修正された予想は次の通りである。 修正予想:単純交差グラフGの刻み幅は±1の範囲で、平面グラフの場合と同様なねずみ捕りゲームの勝敗によって特徴づけられる。 この修正予想の証明はほぼ完成し、現在詳細を詰めているところである。 また、この他に平面グラフの分枝幅に対する高速な近似アルゴリズムをQiangping Gu教授とともに開発した。このアルゴリズムの実行時間は0(n^{1+\epsilon})であり、近似率は定数以下である。
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