研究課題/領域番号 |
20500024
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研究機関 | 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所 |
研究代表者 |
河野 泰人 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 人間情報研究部, 主任研究員 (40396180)
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研究分担者 |
関川 浩 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 人間情報研究部, 主任研究員 (00396178)
山下 茂 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (30362833)
中西 正樹 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (40324967)
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キーワード | 量子回路設計 / 多準位量子ゲート / Cosine-Sine分解 / Linear Nearest Neighbor / 量子回路の等価性判定 |
研究概要 |
本研究課題の目標は、要約すると以下の通りである。【研究課題1】行列分解を用いて(拡張クリフォード群を含む)効率的に実行可能な行列集合を新たに発見すること。【研究課題2】課題1で得た量子回路を応用すること。初年度のマイルストーンとして、【研究課題1-1】拡張クリフォード群の行列要素の位相部分を高次の多項式に置き換えた行列に対する効率的な量子回路の構成、【研究課題2-1】課題1-1で得た量子回路の応用、を掲げた。それぞれに対して、以下の進捗を得た。 研究課題1-1:代表者らが2006年に発表した行列分解方法に、Dawsonらが2005年に発表した結果の拡張を組み合わせることにより、位相部分がβ^<-1>(αx^n-2xy+γy^n)(nは任意の整数)の場合の効率的量子回路の構成に成功した。これにより、当初設定した研究課題1-1をほぼ達成した。 研究課題2-1:課題1-1で得られた量子回路の応用については十分な結果がまだ得られておらず、引き続き検討中である。 また、本研究課題に関連する研究として、以下の研究成果を得た。1.代表者らが2006年に発表した行列分解では、行列を分解してqubit上の量子回路を構成する方法を提案したが、この方法を拡張し、qudit(d準位物理系)上の効率的量子回路を構成する方法を提案した。2.通常の量子回路を、物理的に実現性の高いLinear Nearest Neighbor(LNN)アーキテクチャ上の効率的な量子回路に変換する方法を提案した。3.量子回路の等価性判定のため、Reversible Miterと呼ばれる回路を提案し、さらに、量子回路の等価性判定ツールQuIDDProと従来の回路の等価性判定ツールABCをReversible Miterに組み合わせて、従来手法よりも高速に等価性判定を行う手法を考案した。
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