研究概要 |
XMLの妥当性検証,問い合わせ,変換を実現するため,ρLogを正規表現パターンと列変数・文脈変数に対する所属制約で拡張した.これらの拡張をMathematicaパッケージRoLogに実装し評価を行ったが,高い表現力を持つ一方,効率的な実行が難しいことが分かった.そのため,XDuceで採用されているような標準的な正規表現パターンを,非線形パターンとKleeneスターの内側の変数により拡張したものをρLogでは採用することにした. XML文書の妥当性検証は,正則生垣言語(Regular Hedge Language,RHL)への所属問題としてモデル化できる.ルールベース変換の型検査は,パターン変数の組に対するRHLの因子化(factorization)に基づく型推論アルゴリズムとして実現した.RHLの因子化は,生垣言語に関する線形連立方程式によるRHLの表現と考えることができる.このRHLの因子化に基づき,共通部分,商集合,product derivatives, factor matrixを計算する新たなアルゴリズムを開発した.また,正規表現パターンを正則生垣言語に含まれる言語の構造を表現するために用いる研究を行った.この構造が,有限個の極大言語によって表現できることを証明し,その計算アルゴリズムを構築した.
|