本研究の目的は、モデリング言語UML (Unified Modeling Language)を利用したテスト技法、および、プログラムの可視化手法の2つの観点から、組込みソフトウェアに特化した信頼性向上手法の提案し、来たるべきユビキタス社会における情報技術への要求に、迅速に対応できる基盤を与えることにある。今年度は以下のことを行った。 1. プログラムのソースコードから、制御の流れを可視化し、動作理解の支援を行うことを目的とし、昨年度までに、Javaプログラムを入力として、コントロールフローグラフ、実行パス、および、UMLのシーケンス図を、ユーザに提示するツールAvisを既に試作した。今年度は、このAvisを結合テストに焦点を当てたテスト支援ツールへの拡張を行い、有用性を評価し、火の国情報シンポジウム2010にて発表した。 2. 組込みシステムのテスト実行が容易となるような、組込みシステムに適したプログラミング言語とその実行のためのコンパイラについて、今年度新たに検討を始めた。現時点で、有用性の評価までには至っていないが、手法の提案を平成21年度電気関係学会九州支部連合大会にて、実現に向けて検討した結果をSWEST11にて、それぞれ発表した。 3. 組込みシステムの品質確保のためにテスト法から考慮できることについて、昨年度までの研究実績を含めて、マイクロソフトおよび情報処理学会での招待講演を実施した。
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