平成20年度は、C言語による動作記述による設計におけるメモリアクセスデータの再利用性に着目し、複数回メモリアクセスするデータをその整合性を保ちつつレジスタに保持するアルゴリズムを考案した。音声認識処理で使用されるビタビ探索回路に適用し、メモリアクセス数を18.85%削減し、レジスタ化の効果を確認した。 本アルゴリズムは(1)C記述からの情報収集、(2)データ依存関係調査、(3)プロファイリング、(4)リード・ライト回数比較)、(5)レジスタ化処理とデータ整合性対策の5つの処理から構成される。 C記述からの情報収集は次のデータ依存関係調査の処理を行う際に必要となる情報をC記述から自動的に収集する。データ依存関係調査はメモリリードとメモリライト記述の依存関係とデータ整合対策が必要となる記述箇所を調査する。プロファイリングは記述の各行の実行回数を測定する。リード・ライト回数比較はレジスタ化を行う有効性を調べる。レジスタ化処理はレジスタ化と決定した箇所の記述を自動的に変更し、データ整合対策は異なるアドレス変数によるメモリライトに対しレジスタとメモリ間のデータ整合を保つために記述変更を行う。 今後は、配列単位のオンチップメモリ化、並列動作の考慮などのアルゴリズムを開発し、メモリアクセスフリーアーキテクチャ自動設計技術の高機能化を進める。
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