研究概要 |
本研究では,多重暗号と多段中継を用いた低遅延型匿名通信システムにおける安全性の向上と実用性の向上を目指し,匿名通信システムBifrostを開発した.Bifrostは,匿名性の向上と多重暗号処理のコストを軽減する方式を実現し,安全性と実用性を向上させることに成功した.さらに,研究期間後半には,IDベース暗号を匿名通信システムに応用する方法を考案し,ディレクトリサーバを匿名通信システムから取り除くことに成功した.これにより,ディレクトリサーバによる匿名性の低下とスケーラビリティの低下を取り除き,実用性を向上させた.しかし,悪用時の匿名性解除方式を新たな提案するには至らず,既存の解除方式を適用するに止まった.
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